3人格障害の兆候・症状|見極め方とサインの注意点

「あの人の行動や言動がちょっと極端だけど、これは人格障害の兆候なのかな?」
「自分にも当てはまる部分があるけど、どこからが症状なの?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
実際、人格障害(パーソナリティ障害)はとても幅広い症状・特徴があり、“どこまでが単なる性格の偏りで、どこからが専門的な治療が必要な状態なのか” を見極めるのは難しいものです。
本記事では、人格障害の兆候や症状について、見極め方と注意すべきサインをわかりやすく解説します。専門用語が出てくる箇所では、例え話を交えて説明しますので、初心者の方も安心して読み進めてください。
目次
- 人格障害の兆候・症状とは?
- 代表的なサイン:行動・感情・対人関係の3つ
- 見極め方のポイント
- 具体例と注意したいケース
- 専門用語の解説
- まとめ:早期に気づくことで得られるメリット
1. 人格障害の兆候・症状とは?
● 「性格の偏り」と「生活上の困難」の境界
人格障害(パーソナリティ障害) とは、個人の性格的特徴が極端に偏り、周囲とのトラブルや本人の生活上の困難を引き起こす状態を指します。私たちは誰しも性格の偏りを持っていますが、それが極端すぎたり、柔軟性を失うことで社会や対人関係で大きな問題が生じるとき、専門家は「人格障害」と診断することがあります。
例え話
性格の偏りを「料理の味付け」に例えるなら、例えば塩味が強めの人もいれば甘味が強めの人もいます。通常であれば「塩をちょっと増やせばいい」「砂糖を控えればいい」と調整が可能です。しかし、人格障害は味付けが極端すぎて、本人が苦しかったり、周囲も困ってしまう状態が長く続くイメージです。
2. 代表的なサイン:行動・感情・対人関係の3つ
人格障害の症状をチェックする上で、「行動面」「感情面」「対人関係」の3つは大きなポイントになります。
(1) 行動面のサイン
- 衝動的な行動:思いつきで大きな決断を下してしまう、後先考えずに行動してしまう
- 極端なルールへのこだわり:周りの状況に合わせられず、自分のやり方だけを押し通す
- 危険行為や法的トラブル:度重なる過剰な飲酒、ケンカなど反社会的な行動を取るケース
(2) 感情面のサイン
- 感情の起伏が激しい:ちょっとしたことで激怒したり、悲しみに沈んだり、気分の波が大きい
- 自己肯定感の著しい低さ:常に「自分はダメだ」と思い込んでいる
- 他人への過剰な嫉妬や被害意識:「誰かに嫌われている」「騙されている」と思い込みが激しい
(3) 対人関係のサイン
- 長続きする人間関係が少ない:友人や職場仲間との衝突が頻繁に起こる
- 束縛や依存が強い:恋人や家族に対して、異常なほどしがみつく
- 孤立・引きこもり:他者と関わるのが怖くて避け続けてしまう
注意点
これらのサインの一部があったとしても、必ずしも人格障害とは限りません。誰でも一時的に感情が不安定になることはあるからです。大事なのは「それが長期的に繰り返され、生活に大きな支障をきたしているか」を見極めることです。
3. 見極め方のポイント
● (1) 持続性
「気分の落ち込み」が数日程度で終わるなら、ストレスや疲れが原因かもしれません。しかし、数ヶ月以上同じパターンが続き、周囲とのトラブルも絶えない場合は要注意です。
● (2) 柔軟性の欠如
「環境に合わせたり、ルールを変えたりするのが極端に難しい」状態が続いていませんか?
人格障害の特徴のひとつが「考え方や行動の柔軟性が乏しい」ことです。たとえば、少しルールが変わっただけで激しくパニックを起こしたり、他者との価値観を一切受け入れないという場合は、兆候の一つかもしれません。
● (3) 周囲への影響
本人だけでなく、家族や友人、職場同僚など周囲の人も深刻なストレスを感じているケースは注意が必要です。たとえば、ひんぱんにケンカや暴力沙汰が起きる、周囲が疲弊して「距離を置かざるを得ない」となる状況が続くなど。
例え話
自動車のハンドルに遊びがなく、どんなカーブでも一切曲がれない状態を想像してみてください。まっすぐ走るしかできず、曲がれないから事故が多発する… これが「柔軟性を失った状態」のわかりやすいイメージです。
4. 具体例と注意したいケース
● 自己愛性人格障害(NPD)の例
- 周囲を見下したり、過度に称賛を求めたり
- 批判されると激しく怒ったり、攻撃的になったりする
- しかし内面は「自分はダメだ」という不安を抱えることも多い
● 境界性人格障害(BPD)の例
- 対人関係が激しく変動:大好き→大嫌いと意見がコロコロ変わる
- 見捨てられ不安が強く、相手にしがみつくような依存的態度
- 自傷行為や衝動的な行動も見られる
● 回避性人格障害(AvPD)の例
- 嫌われるのが怖くて対人場面を極端に避ける
- 批判や失敗を必要以上に恐れ、仕事を転々としたり家に引きこもったりする
- 本人はとても苦しいが、「自分は劣っている」と思い込んでいて動けない
注意したいケース
「大切な人が明らかに苦しんでいるように見えるのに、どう声をかけても逆ギレされる」「本人がまったく問題意識を持っていないため、サポートが難しい」といった状況も多々あります。これらは専門家のサポートが必要なサインといえます。
5. 専門用語の解説
● パーソナリティ(人格)
- 一貫した思考や行動のパターン。
- 例え話:「いつも同じ“味”の料理を作りがち」というように、個々人の定番パターンを指します。
● 見捨てられ不安
- 他人に捨てられたり、見放されるのではないかという極度の恐れ。
- 例え話:「大切な人がいなくなるのが怖くて、しがみついて離れられない」状態。
● 自傷行為
- リストカットやOD(薬の過剰摂取)など、身体を傷つける行為。
- 心の痛みを身体の痛みで紛らわせようとする心理が背景にある場合が多い。
● 柔軟性
- 状況に合わせて考え方や行動を変えられる能力。
- 例え話:音楽を聴きながらダンスするイメージで、曲のリズムに合わせて動きを変えていく能力を表します。
6. まとめ:早期に気づくことで得られるメリット
- 人格障害の兆候・症状は、行動・感情・対人関係に現れることが多い。
- 「それが長期にわたって続いている」「柔軟性が極端に欠ける」「周囲が困り果てている」といった場合、注意が必要。
- 当てはまるサインがあっても、必ずしも人格障害とは限らないため、専門家の判断が大切。
● 早期発見・早期介入のメリット
- 本人が苦しみを減らすきっかけを得やすい
- 周囲の人間関係や仕事上のトラブルが軽減される
- 適切な治療・支援を受け、改善や自己成長を促進できる
次に読んでほしい記事
- 人格障害の治療法・支援(カウンセリング・薬物療法・自己対処法)
- 人格障害の原因・リスク要因|遺伝・環境・心理的背景を解説
もし「自分や周りの人が当てはまるかも?」と心配な場合は、一度医療機関やカウンセラーに相談するのがおすすめです。専門家の客観的な視点で診断やアドバイスを受けることで、問題を長期化させずに解決へと進みやすくなります。
参考文献
- DSM-5 (2013年) – American Psychiatric Association
- 厚生労働省 こころの健康 > こころの病気
- 日本精神神経学会
免責事項
本記事は、医療専門家による診断や治療行為を代替するものではありません。心身の不調を感じる方や周囲に強いストレスがある場合は、医療機関や専門家に相談してください。
まとめ: 人格障害の兆候・症状は、長期的な観察や周囲への影響など、多角的に見る必要があります。早期に気づき、適切なサポートにつなげることで、本人はもちろん周りの人々もより良い方向へ進む可能性が高まります。まずは「もしかしたら…」と感じたときに、一歩踏み出して専門家の意見を聞くのが大切です。

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愛知県名古屋市の心理カウンセラー 浦光一

心理士/心理カウンセラー/ユング心理学研究/統合失調症研究/夢分析研究 /
【実績・資格学会等】
◆慶應義塾大学
◆上級心理カウンセラー資格取得
◆メンタル心理カウンセラー資格取得
◆財団法人日本能力開発推進協会
◆日本ユング心理学研究所会員
◆日本カウンセリング学会会員
◆日本応用心理学研究所ゼミナール会員
◆中部カウンセラースクールジャスティス総合教育センター修了
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