【必見】上司の厳しすぎる言動が続くとき…実は人格障害かもしれない原因と対処法
職場での“困った人”が抱える深い問題
はじめまして。私は心理カウンセラーとして約40年にわたる臨床経験を積んできましたが、長年の現場では「どうしてあの人はあんなに厳しく当たってくるんだろう」「仕事の話をしようとすると、すぐに話がこじれてしまう」といった職場の人間関係トラブルを数多く目にしてきました。
上司や同僚、部下との人間関係のストレス
実際、仕事そのもののストレスではなく、上司や同僚、あるいは部下との人間関係が原因で心身のバランスを崩してしまう方は非常に多いのです。特に最近では、「いつも厳しい言動で周囲を追い詰める上司」や「チームワークを乱す言動を繰り返す同僚」が、じつは人格障害(パーソナリティ障害)に関わる特徴を持っている可能性があるのではないか、と考える専門家が増えています。もちろん、単なる「性格の問題」と「医学的にも特性が強く出ている人格障害」を完全に線引きするのは簡単ではありません。しかし、もし自分の身の回りにいる“困った人”が、実は人格障害の特性を抱えているのだとしたら、私たちのアプローチや心の持ち方も変わってくるはずです。
いつも怒る上司は人格障害…?
たとえば、周囲への配慮がまったく見られず、部下のミスがあると激しく叱責する上司がいるとしましょう。あなたが「そこまで厳しく言わなくてもいいのに…」と感じるほど執拗に責め立て、相手を追い込む。その結果、部下はますます萎縮し、業務効率が下がり、チーム全体の雰囲気が悪くなってしまう。これが一度だけならば、「その上司がたまたまイライラしていた」と捉えられなくもありません。しかし毎回同じようなパターンが続き、その上司が自分の非や部下の状態にまったく気づいていない、あるいは改善しようともしていないとなると、そこに人格障害の特徴が隠れているのではないかと疑うことも必要になります。
うまくいかない職場の人間関係
また、同僚のなかにも、チームワークを損ねる発言や行動を繰り返す人物がいるかもしれません。自分のアイデアが採用されないと突然不機嫌になり、ミーティングの場を乱してしまう。あるいは、他人の業務を手伝うように見えて、実は相手の仕事の成果を横取りし、その功績を自分だけのものにしようとする。こうした行動を繰り返すうちに、同僚たちは「彼(彼女)に関わると疲れる」「必要最低限の会話だけして、あとは距離を置きたい」と感じ始め、結果的にプロジェクト全体がスムーズに進まなくなってしまうのです。私のカウンセリング経験では、こうした“自分を過剰に大きく見せようとする”タイプの人は、自己愛性人格障害の傾向を持っている場合があります。必要以上の称賛を求めたり、他人に対してまるで自分の手足のように扱おうとしたりすることが多いため、周囲の人々は大きなストレスを感じるのです。
さらに、仕事の場面ではあまり表立ってわかりにくいですが、境界性人格障害の傾向がある方が近くにいる場合も要注意です。境界性人格障害の特徴としては「見捨てられ不安」が強く、些細な出来事で「自分は嫌われているんじゃないか」「大事にされていないのではないか」と感じ、過剰なリアクションを取ることが挙げられます。会議中にちょっと意見が合わなかっただけで「やっぱり誰も私をわかってくれない」と落ち込み、翌日には突如会社に来なくなってしまう…というケースも珍しくありません。もともとは不安感からくる行動かもしれませんが、周囲がその背景を知らないと、「なんてわがままなんだろう」と誤解してしまい、さらに関係が悪化することがあります。
仕事の人間関係でいつも疲れてしまう…
こうした人格障害の特性を持つ人との関わりが長引くと、実は周囲の人たち——つまり、あなた自身が深く傷つき、疲れてしまう可能性が高いのです。職場という場は、日常生活のなかでも多くの時間を過ごす場所。一日の大半を費やす空間で、常に他人からの厳しい言動や予測不能なリアクションに振り回されていたら、誰だってストレスを抱えてしまいます。ときには、これが原因でメンタルヘルスを崩し、休職に追い込まれてしまう方もいるほど深刻です。
ところが、ほとんどの人は最初、「あの人は性格がきついだけ」「自分に対して嫌がらせをしてくるんじゃないか」と捉えてしまいがちです。しかし、長年カウンセリングに携わってきた私から見ると、“性格の問題”と“人格障害の問題”は似て非なるものです。もちろん、完全に断定できるのは専門医や心理士による評価や診断が必要ですが、もし「これはただの性格の不一致ではないかもしれない」と少しでも感じるところがあるならば、事態を改善する道はあります。相手を変えようとするのではなく、まずは私たちが正しい知識を身につけ、適切な対応を学ぶことが大切なのです。
多くの方は、人間関係がうまくいかないと「自分にも問題があるのでは?」「もっと我慢しなきゃいけないんじゃないか」と考えがちです。特に日本の職場文化では、「周囲に合わせること」「我慢してでもチームワークを重視すること」が美徳とされるケースも少なくありません。けれども、もし本来の業務に支障が出るほど、あるいはあなた自身の健康を害するほどのストレスを感じているのだとしたら、それは本来の“協調”とは別の次元の問題なのです。あなたが苦しい状況にあるのは、けっしてあなたの責任ばかりではなく、相手に治療や専門的なアプローチが必要なケースも十分に考えられます。
最悪な職場の雰囲気が続くと…
さらに、私が40年間のカウンセリング活動で痛感してきたのは、こうした“職場の困った人”を放置しておくことで、職場全体の雰囲気や生産性がじわじわと低下してしまうという現実です。最初は「ちょっと言い方がきついね」「あの人はいつも自分を大きく見せようとするな」ぐらいの認識だったものが、やがて「一緒に仕事をしたくない」「あの人と組むと必ずプロジェクトがこじれる」といったネガティブな声が聞こえ始める。それでもなお、本人には「自分が人に迷惑をかけている」という自覚がない状態だとすると、周囲の不満は高まる一方です。結果的に、人材が職場を離れていったり、チームの成績が落ち込んだりする悪循環に陥りかねません。
もしかすると、これを読んでくださっているあなたも、すでに「このままでは自分が壊れてしまう」と感じるほど追い詰められているかもしれません。あるいは、「どうしてあの人はあんな言動をするんだろう」と悶々と考え続けてしまっているかもしれません。ひょっとしたら、「誰にも相談できずに一人で抱え込んでいる」状況の方もいらっしゃるでしょう。それでも、ここに少しでも興味を持って文章を読み進めているということは、あなたのなかで何かしら解決策を見つけたいという気持ちが芽生えている証拠でもあります。これは、とても大切な一歩です。
あなたが今すぐできること
実際に、仕事仲間や上司、部下との間で「相手が人格障害かもしれない」と疑ったときにできることは、いくつも存在します。最終的には専門家に相談しなければ解決しない場合もありますが、あなたが“相手が抱える深い問題”に対して理解を深め、しかるべき対応を取るだけで、大きく事態が好転することは十分あり得るのです。そのためにも、まずは「なぜこの人は職場でこんなにトラブルを起こすのか」という視点から、「もしかして人格障害の特性が背景にあるのでは?」という仮説を持ちながら、相手とのコミュニケーションを見直してみることが肝心です。
このページでは、私が40年の経験を通じて学んできた「職場での“困った人”が抱える深い問題」の実例や背景を紹介しつつ、同時に私たちが何を理解し、どんな対応策をとるべきなのか、そのヒントを少しずつお伝えしていきます。決して相手を責めるのではなく、かといって自分が過度に犠牲になるのでもない。うまく距離を取りながら、冷静に状況を俯瞰し、場合によっては専門家の力を借りることが必要です。
もしこれを読んで「自分のケースはどうなんだろう」「それでも改善は難しそうだ」と感じる方もいるかもしれません。ですが、まずは「相手が実は人格障害の特性を抱えている可能性がある」という視点を取り入れ、それに合った対応法を知るだけでも、あなたの気持ちの持ち方は変わります。少なくとも「自分が悪いから、あの人の攻撃的な態度に我慢しなければならない」と思い込んでいた状態からは、一歩前進できるはずです。
仕事は人生の大部分を占めるからこそ、人間関係の問題を抱えると深く傷つきます。
仕事は人生の大部分を占める大切な要素です。だからこそ、そこでの人間関係に問題を抱えると、心が深く傷つき、日々を楽しく過ごせなくなってしまうことも珍しくありません。あなたが少しでも心穏やかに働き続けられるよう、そしてあなたの職場全体がより健康的で建設的な場所へと変わるよう、この先の内容で具体的なアプローチや知識をぜひ学んでみてください。ここで紹介するのは、決してすべてのケースに当てはまる“万能薬”ではありませんが、きっとあなたの状況を見つめ直し、最適な一手を考えるための有力なヒントになるはずです。
さあ、一緒に「相手が抱える深い問題」を理解する旅を始めてみましょう。そして最終的には、あなた自身の心がより軽く、より自由になる一助となることを願っています。職場でのトラブルや対立の中に埋もれていた新しい気づきや解決の糸口が、きっと見えてくるはずです。今はただ、焦らずに「こんな人もいるのかもしれない」と思いながら、次のステップへ進んでいただければと思います。あなたがよりよい環境で、よりよい気持ちでお仕事を続けられるよう、私も精一杯お手伝いしたいと思っています。どうか最後まで、ゆっくり読み進めてみてください。
愛知県名古屋市の心理カウンセラー 浦光一
関連する論文・参考文献・URLまとめ
下記は、職場における人格障害(パーソナリティ障害)の特性や対人関係の問題について理解を深めるための代表的な文献やオンラインリソースです。記事中の話題に関連した分野(職場のメンタルヘルス、人格障害の概要、対人スキル、ストレスマネジメントなど)からピックアップしました。
1. 学術文献
-
American Psychiatric Association. (2013).
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (5th ed.). Washington, DC: American Psychiatric Association.- 人格障害を含む精神障害の診断基準を示す国際的なマニュアル。各パーソナリティ障害の特徴が整理されている。
-
Linehan, M. M. (1993).
Cognitive-Behavioral Treatment of Borderline Personality Disorder. New York: The Guilford Press.- 境界性パーソナリティ障害に特化した治療法「DBT(弁証法的行動療法)」の確立者による代表的著書。対人関係や感情調整の問題に関する詳しい解説がある。
-
Gunderson, J. G. (2014).
Handbook of Good Psychiatric Management for Borderline Personality Disorder. Arlington, VA: American Psychiatric Association Publishing.- 境界性パーソナリティ障害の管理と治療に関する臨床ガイド。仕事場面への応用や周囲の対応策も一部で示唆されている。
-
Millon, T., & Davis, R. D. (1996).
Disorders of Personality: DSM-IV and Beyond (2nd ed.). New York: John Wiley & Sons.- パーソナリティ障害研究の第一人者テオドア・ミロンによる著書。各人格障害の理論的背景や特徴を詳述。
-
Beck, A. T. (1990).
Cognitive Therapy of Personality Disorders. New York: The Guilford Press.- パーソナリティ障害における認知療法の応用を解説。思考の歪みに着目し、対人トラブルの根本要因を探るヒントが多い。
2. オンラインリソース・機関ウェブサイト
-
国立精神・神経医療研究センター
- https://www.ncnp.go.jp/
- 日本における精神・神経疾患研究の中心的機関。パーソナリティ障害を含むさまざまな精神疾患に関する情報が得られる。
-
厚生労働省:こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
- https://kokoro.mhlw.go.jp/
- 企業や働く個人に向けたメンタルヘルス情報が掲載されている。職場のストレスやハラスメントについての対策・相談先なども紹介。
-
NIMH(アメリカ国立精神衛生研究所)
- https://www.nimh.nih.gov/health/topics/borderline-personality-disorder
- 境界性パーソナリティ障害をはじめ、各種精神疾患の概要や治療法を公的にまとめている。英語リソースだが信頼性が高い。
-
APA(アメリカ心理学会)
- https://www.apa.org/
- 心理学全般の学術情報や最新研究が公開されている。職場のストレスマネジメントや対人スキルに関する記事も充実。
-
Mayo Clinic(メイヨークリニック)
- https://www.mayoclinic.org/
- パーソナリティ障害を含む各種疾患に関する解説、症状や治療法、周囲の対応策などを分かりやすく紹介している。
3. 関連トピックに関する補足
-
職場ハラスメントに関するガイドライン
- 厚生労働省の「職場のパワーハラスメント対策総合サイト」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972_00001.html- 職場でのパワハラ(パワーハラスメント)定義や対策事例、相談先などがまとまっている。
- 厚生労働省の「職場のパワーハラスメント対策総合サイト」:
-
職場メンタルヘルス全般
- EAP(従業員支援プログラム)導入事例などを通じ、人格障害を含む精神疾患のある社員のサポート体制を構築している企業も増えている。早期発見・早期介入が重要。
心理士/ユング心理学者/心理カウンセラー/統合失調症研究/夢分析研究 /
◆日本ユング心理学研究所会員
◆日本カウンセリング学会会員
◆日本応用心理学研究所ゼミナール会員
◆中部カウンセラースクールジャスティス総合教育センター修了
心の問題に寄り添う心理学を学ぶなら「心理カウンセリング浦」。心理学の専門家がわかりやすく解説します。自分を知り、心を整えるためのヒントを豊富に紹介。人生を変える新たな気づきと未来への一歩をお届けします。毎日のヒントが、きっと見つかります。
【ご挨拶】
愛知県名古屋市中川区の古民家にカウンセリングルームを作りました。
心理カウンセリングのセラピーを通して、心の援助を約40年続けてまいりました。
こころの悩み、心のケアが必要な方は、心理カウンセリング浦にお越しください。
あなたと一緒に心の問題にとりくみます。
一人で抱え込まないで、どんなお悩みでもまずは勇気をもってお電話を。
予約受付:平日 10:00〜20:00 ☎︎052-361-3919
【カウンセリングルームについて】
● はじめての方へ
● 受付時間と料金
● よくあるご質問
● アクセスマップ
【当サイトに関する運営情報】