シュレーバーについてのフロイトの解釈(ダニエル ポウル シュレーバーのことです)
法学博士でザクセンの裁判官、妄想性の精神病にかかり、神経医フレクシヒ教授の患者となり、後に病中の体験記「神経患者の回想記」を出版しました。
フロイトが1911年に「パラノイアの自叙伝例の精神分析」で彼の妄想の精神分析的解釈を行いました。医師からの迫害妄想と神の奇跡の光によって体が破壊され女性に変えられて世界人類回復の使命を帯びるという誇大妄想は、シュレーバーに同性愛的傾向があり、元来は医師を愛するはずが、防御機構で彼を憎むのだと転じ、それで彼から迫害されるというように、医師からの迫害妄想を解し、女性に代わったという妄想も同性愛的願望の現われとしました。
シュレーバーの体験幻覚や自我障害はヤスパースの現象学にも引用されています。