パラノイド状態について
パラノイド者は、自分の中の他人が故意に虐待する、
自分が目標に到達しようとすると
邪魔されるという考えにとらわれています。
そこで考えられる侮辱や拒絶を
正当なものだと考える抑うつ者とは違って、
パラノイド者は、不正が行われたという考えに
とりつかれています。
「私は正しい。彼が間違っている」というのが
その考えの中心テーマです。
これは、「私が間違っている。彼が正しい」
という主題に沿って考える抑うつ者とは対照的です。
抑うつ者とは違って、
パラノイド者は自己価値の低下を全く体験しません。
実際の自己領域の喪失よりも、
自己領域に対する攻撃の不当性の方に目を向けます。
不安神経症、神経症性うつ病、パラノイド状態の違いについては、
不安者は攻撃の可能性に注目します。
パラノイド者は、自分の境界に対して加えられたと考えている攻撃や
侵害の裏に潜む不当性や悪意に注目します。
抑うつ者は、喪失したと考えたことがらに焦点を当て、
それが自分自身のある種の不適切性に依るものだと考えます。
著者 心理カウンセラー 浦