統合失調症の原因と症状
統合失調症の原因
統合失調症を発症する原因は、現在のところは特定されていません。
現在のところ、体質的な要因があり、環境的な要因や過剰なストレスが重なって脳の機能バランスが崩れて発症すると考えられています。
統合失調症発症の体質的な要因
体質的な要因は、統合失調症になりやすい体質の遺伝などが関係しているのではないかとされます。
統合失調症発症の環境的な要因
環境的な要因は、出産するときに新生児にかかるストレスなどの影響が指摘されています。
過剰なストレスとは、社会生活や人間関係などによって受けるストレスが誘引となります。
また、妊娠中の母親のウイルス感染も、発症に関わるのではないかと考えられています。
他には、引っ越し、結婚、出産などの大きな変化や、若い世代では進学や就職などの環境の変化、喫煙や飲酒、薬物乱用などの体へのストレスが挙げられます。
統合失調症と脳の関係
脳では、ドーパミンなどの神経伝達物質が、目や耳などから、受け取った情報を伝達しています。
ところが、統合失調症では部分的にドーパミンなどが過剰になり、神経の働きが過敏になることがあり、逆に部分的にドーパミンなどが低下することもあります。
統合失調症は一つの病気ではなく、病状や経過が似たさまざまな精神疾患が集まって起こる症候群とも考えられています。
そのため、症状や経過をひとくくりに言うことはできません。
統合失調症の症状
代表的な症状には陽性症状、陰性症状、認知機能の軽度の障害があります。
陽性症状とは、幻覚や妄想があります。
本来ないはずのものが、統合失調症の影響で本人の中であるということです。
統合失調症の幻覚について
幻覚は、聞こえないはずの声が聞こえる幻聴、見えないはずのものが見える幻視、におわないはずのものがにおう幻嗅などがあります。
幻覚のなかで多くみられるのが、幻聴です。
幻聴は実在する声とほぼ同じに聞こえます。
現実の声と幻聴が連続しているので、区別がつきにくいことがあります。
統合失調症の妄想について
妄想とは、「神様から命令を受けている」「誰かに監視されている」など、現実的ではない考えを信じ、そのことに心がとらわれてしまうことです。
陰性症状とは、ふだんあるはずのものが、統合失調症の影響によって、ないことを指します。
主に感情の平板化と意欲の低下があります。
感情の平板化とは、外部からの刺激に対して、自然に起こるはずの喜怒哀楽の感情が起こりにくくなることをいいます。
例えば、笑顔がなくなるとか、人と視線を合わせない、話すときの声の抑揚が低下する、ジェスチャーが減るなどです。
特に過去を思い出したり、未来に想像を巡らせたりするときに、感情の動きは一段と乏しくなります。
統合失調症の意欲の低下について
意欲の低下とは、服装や化粧、持ち物など身だしなみへの関心がなくなることです。
また、社会参加や仕事、勉強などへのやる気も失われていきます。
認知機能の軽度の障害とは、物忘れや集中力を欠くなど、日常生活に支障をきたすことがあります。
著者 心理カウンセラー 浦