神経症論 Ⅱ フロイト
つづき
強迫神経症は、その症状として、脅迫観念と脅迫行為がある。前者はばかばかしいと分かっていても考えてしまう観念のことで、不合理だと分かっているのに、考えることを止められない。後者は、同じく馬鹿らしいと分かっていながらも行動瀬せずにはいられないもので、多くは強迫観念に基づいて、その不安を打ち消すために繰り返されるものである。
心気神経症とは、何か重大な病気にかかったのではないかと心配して多くの病院に受診し、異常がないと分かっても納得せず、心配し続ける疾患である。
離人神経症は、自分や世界に対する実感がわかないもので、しばしば「世界にべーるが一枚かかったようだ」「周囲が白黒の平面な世界に見える」「自分がない」などと表現される。
現代の診断基準ではヒステリーという用語は用いられなくなっている。代わりに、解離性障害、転換性障害がそれにあたる。
解離性障害には、意識消失、健忘、遁走、憑依、昏迷などがある。転換性障害では、心理的な原因で、てんかん発作のような痙攣発作がおこったり、声が出なくなったり(失声)、立てなくなったり(失立)、歩けなけなったり(失歩)、手足の感覚が麻痺したりするような脳神経系の症状が出現する。