フロイト 2
フロイトは、性的快感の起源をさかのぼり、おっぱいを吸うときの快感にまでいきつく。そこでは、母親と自分の区別も定かではなく、乳房と唇というからだの一部分同士の関係の世界である。個々を起点として、快感を感じるからだの部分の変還と対人関係の発達等を相互に関連させながら、人間の心の発達を論じるというところが、フロイトの理論の独創的なところである。
幼児の性欲のあり方をフェティシズムやサディシズムなどの大人の性的な倒錯に類似したものとしてとらえていること、人の性欲が幼児期に一時高まり、いったん押さえ込まれて、また思春期に高まるという考え方をする。
フロイトは、幼児の多様で倒錯的な性欲のあり方を”多型倒錯”とよんだ。また、幼児期と思春期の二回、性欲の高まるという考え方は「ニ相説」とよんだ。
フロイトは、性的欲求の背後にあるエネルギーをリビドーと名づけたのである。さらに、フロイトは、超自我、自我、エスといった心の中の構造を動かす精神的なエネルギーという意味でも、リビドーという概念を用いた。