パーソナリティ障害を抱える親子関係を改善する方法
【人格障害に負けない向き合い方のコツ】パーソナリティ障害を抱える親子関係を改善する「親」と「子」それぞれの最適アプローチ
親と子どもの関係がうまくいかないと感じるとき、それはたとえ一時的な摩擦であっても、どちらにとっても大きなストレスとなります。とくに親が「人格障害(パーソナリティ障害)」と呼ばれる特徴を抱えている場合、親自身も苦しさを抱えながら子どもを育てており、子どももまた親の感情や態度に大きく振り回されてしまいがちです。
「どうしてこんなにうまくいかないのだろう」「親として子どもを大切に思っているのに、なぜ愛情が伝わらないのだろう」「子どもの側は自分の気持ちをわかってもらえない」と感じることもあるかもしれません。ここでは、親として、そして子どもとして、それぞれがどのように「向き合い方」を工夫していけるのかを一緒に考えていきます。
愛知県名古屋市の心理カウンセラー 浦光一
1. 親として:自分を責めすぎず、小さな変化を目指す
「完璧な親」は存在しない
まず、誰しも「完璧な親」にはなれません。人格障害(パーソナリティ障害)の有無にかかわらず、子育てには多くの不安やストレスがつきものです。ただし、人格障害(パーソナリティ障害)の特性を抱える親は、感情の波や考え方の極端さが子育てに影響しやすく、「自分がコントロールできない部分がある」という罪悪感や無力感に陥りやすいという特徴があります。
●具体的な悩みの例
母親が境界性パーソナリティ障害の特徴を持つケースでは、朝のちょっとした支度がうまくいかないだけで激しく怒りがこみ上げ、子どもに向かって「もうあなたなんか知らない!」「どうして私をイライラさせるの!」ときつい言葉をぶつけてしまうことがあるかもしれません。その後に「自分は最悪の母親だ」と強い自己嫌悪に陥り、気持ちが不安定になる――こうした悪循環を抜け出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
●ヒント:小さな成功体験を重ねる
- 子どもに接するとき、「今日こそはまったく怒らないようにしよう」といきなり思い詰めると苦しくなりがちです。それよりも「最初に声をかけるときだけは、子どもの目を見て落ち着いて話してみる」「怒鳴りたくなったらまず深呼吸をして10秒数えてみる」というように、小さな行動目標を立ててみましょう。
- うまくできたときには「自分、ちょっと頑張ったな」と思い切り自分を褒めてあげてください。もし失敗しても「やっぱりダメだ」と決めつけずに、「次はもう少しうまくできるかも」と考えることが大切です。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
感情を言葉にする練習をする
人格障害(パーソナリティ障害)の特徴がある親は、強い不安や怒りがわき上がるときに「その感情をそのまま子どもにぶつけてしまう」ことがあります。大声を出したり、否定的な言葉を繰り返してしまったり。その背景には「自分がなぜここまで怒るのか」をうまく説明できない苦しさが潜んでいるかもしれません。
●具体的な悩みの例
「子どもが宿題をしないだけなのに、どうしてこんなにカッとなってしまうんだろう」と自分でも理解できないほど怒りが燃え上がる。子どもが反抗的な態度を取ると「私の話なんて無視するのね!」と絶望感が爆発し、子どもも「なんでそんなに怒るの」と怯えてしまう――こんな場面が続くと、親子の間に深い溝ができてしまいます。
●ヒント:自分の感情を確認するステップ
- まず、「今、自分はどんな感情が湧いているのか」を言葉にしてみる。たとえば、「すごく寂しい気持ち」「不安」「怒り」「悲しみ」など。
- その感情が沸騰してしまった“きっかけ”が何かを振り返る。子どもの行動かもしれませんし、仕事や対人関係で嫌なことがあったのかもしれません。
- 「自分はこう感じているのだ」と自覚してから、子どもに話しかけられるなら、「ちょっと今、イライラしてるから、少し待ってくれる?」と伝えてみましょう。子どもがある程度大きければ、「今お母さんはこういう気分だから、少し落ち着く時間をちょうだい」と言葉にするだけでも、感情の爆発を防ぎやすくなります。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
子どもの反応は“全否定”ではない
人格障害の特徴を持つ親は、自分の思い通りにならないと「子どもに嫌われた」「子どもに見捨てられる」と極端に考えてしまうことがあります。しかし、子どもの反発や無視に見える態度は、必ずしも「親を否定している」という意味ではないかもしれません。子ども自身も思春期や勉強のストレス、友人関係の悩みを抱えていることがあります。
●具体的な悩みの例
「中学生の娘が最近まったく口をきいてくれない。挨拶をしても『うるさい』と言われる。きっと私のことを嫌っているに違いない」と思い込んでしまい、自分自身もショックを受けてしまう。ところが実際には、娘が学校のクラスメイトとのトラブルで悩んでおり、家で一人になりたいだけだった――というようなケースもあり得ます。
●ヒント:コミュニケーションの余白を持つ
- 子どもが話したいタイミングを尊重することも大切です。毎日決まった時間に「話しなさい」と強要するのではなく、「もし何かあったら聞くよ」「話したいときに声をかけてね」と伝え、無理強いせずそっとしておく時間も必要かもしれません。
- 一方で、まったく放置してしまうとコミュニケーションの機会がなくなってしまうので、「週末に15分だけ一緒にお茶を飲もう」「寝る前に一言だけでもいいから会話しよう」というように、ゆるやかなルールを設定しておくと、お互いに接点を持ちやすくなります。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
2. 子どもとして:自分を責めず、助けを求める勇気を持つ
「親を支えなきゃいけない」という重荷からの解放
人格障害(パーソナリティ障害)を持つ親のもとで育つ子どもは、幼いころから「親を怒らせないようにしなきゃ」「親が落ち込むのは自分のせいかもしれない」と、過剰な責任感を背負いがちです。ときには、「自分が笑顔でいれば、親も元気になるはず」と考えて無理をする子どももいます。
●具体的な悩みの例
高校生のEさんは、母親が自己愛性パーソナリティ障害の傾向を持ち、いつも「あなたは私の希望の星。私の自慢の娘だ」と言いながらも、Eさんが少しでも失敗すると「こんなはずじゃない」「あんたは私を裏切った」と責めます。Eさんは「お母さんを落胆させたくない」と成績維持に必死で頑張るものの、心の中では「私はただ勉強マシーンなの?」と強い空しさを抱えていました。
●ヒント:親の感情は親のもの
- 親がどんな感情を抱いていても、それは最終的に“親自身”が向き合うべき問題です。子どもが「自分さえ頑張れば、親の不安や悲しみを解消できる」と思い込む必要はありません。
- もし親が感情的になったり、不安定さをあなたに押し付けてくるようなら、「自分が悪いからだ」と思うよりも、「親は今苦しんでいるんだ」と客観視してみてください。あなたが悪いわけではないのです。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
安全な場所や人を見つける
人格障害を抱える親との生活が続くと、子どもは「家にいると常に緊張する」「何を言われるか怖い」と心身ともに疲弊することがあります。そんなとき、家以外に“安全にいられる場所”や“自分の気持ちを話せる人”を確保することが大きな助けになります。
●具体的な悩みの例
中学2年生のFくんは、父親が強迫性パーソナリティ障害の傾向があり、家の中のルールがとにかく細かい。少し部屋が散らかっていると「お前はだらしない!」「ちゃんと整頓しろ!」と何時間も説教される。Fくんは家に帰るだけで胃が痛くなる毎日でしたが、学校では部活の顧問の先生が「いつでも困ってたら声かけてね」と言ってくれていたおかげで、放課後は顧問の先生と気軽に話し、家でのストレスを少し和らげることができました。
●ヒント:具体的な「避難先」を探してみる
- たとえば、学校の先生、スクールカウンセラー、親戚や祖父母、友人の家など、自分が気を遣わずにいられる人や場所はありませんか?
- 地域の図書館や公民館、NPOが運営する子どもカフェ、部活の顧問の先生など、探せば意外と「ちょっと居させてほしい」と頼れる場所があるかもしれません。
- そのような安全地帯を確保しておくと、親の機嫌が悪いときや自分が限界を感じるときに、一時的に離れられる環境があるという安心感が得られます。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
言いたいことを“全部”伝えなくてもいい
親とぶつかり合うとき、「自分の思いをすべて理解してほしい」と強く望む子どもも多いかもしれません。しかし、人格障害の特徴を抱える親が相手の場合、すべてをぶつけようとすると、かえって激しい衝突を招いてしまうことがあります。
●具体的な悩みの例
高校生のGさんは、いつも干渉してくる母親に「もういい加減放っておいて!」と感情的に言ってしまい、大げんかになりました。母親は「なんでそんな言い方するの! 私のどこが悪いの!」と収拾がつかなくなり、結局Gさんは「もう何も話したくない」と押し黙ってしまいます。
●ヒント:やんわりと境界線を示す伝え方
- 親に分かってもらいたい思いがあるなら、一度に全部ぶつけるのではなく、少しずつ小出しに伝える方法があります。たとえば、「今は部活で大事な大会があるから、練習に集中したいんだ」「週末は友達と過ごす時間が大事だと感じてる」など、自分にとっての優先事項を具体的に示す。
- また、「大声で言っても通じない」と感じるなら、LINEや手紙などで自分の気持ちを伝えるのも手です。文章だと、勢いで言い過ぎることが減り、相手も読み返して考える余裕をもてるかもしれません。
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3. 親子それぞれが周囲を巻き込み、助けを受ける勇気を持つ
親は「子どもの相談相手を奪わない」
人格障害(パーソナリティ障害)を抱える親は、ときに「子どもが外部に助けを求める」ことに強い抵抗感を抱く場合があります。親として「自分がダメ親だと思われるんじゃないか」「家のことを外に言うなんて裏切りだ」と感じることもあるでしょう。しかし、子どもが生きやすさを保つために必要な支援を受けられるよう、親自身が認めてあげることは、とても大切です。
●具体的な悩みの例
母親が「私以外の誰にも相談するな」と子どもに言い続けていたケースでは、子どもは学校でも何も話せず、家の中で問題が起きても助けを求められずに苦しんでいました。母親は「外で言われたら恥ずかしい」という思いが強かったのですが、子どもは「もう限界だ」と感じていたのです。
●ヒント:親ができるサポートの形
- 「もし家のことで困っているなら、先生やカウンセラーに相談してもいいんだよ」と子どもに伝えてみてください。もしかすると当初は不安や抵抗があるかもしれませんが、長い目で見れば、それが子どもの安心感につながります。
- 親が自らカウンセラーや医師にかかることも、子どもにとっては「親が変わろうとしているんだ」という安心材料になります。完璧にできなくてもいいのです。「困ったら助けを求めてもいいんだ」と親が示すだけでも、子どもの心が少し軽くなります。
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子どもは「自分の未来」を守る行動を取る
親がどんなに苦しんでいようと、子ども自身にも人生があります。特に思春期や青年期になると、「家の事情」に振り回されて自分の進路や希望を諦めるのは非常にもったいないことです。親が依存や支配の言葉を強めてくるなら、なおさら「自分自身が安全に生きられる道」を模索する必要があります。
●具体的な悩みの例
大学進学を希望するHさんは、母親が「あなたがいなくなると私は生きていけない」「そんな遠くの大学に行くなんて親不孝だ」と言うため、悩みを抱えていました。Hさんは教師に相談し、「親の承諾がなくても受験できる制度」を調べ、最終的には奨学金を利用して大学へ進学する道を選びました。母親との関係は一時的に悪化したものの、Hさんが自立を進めるうちに、母親も少しずつ外部の支援を受け始めたというケースです。
●ヒント:相談窓口や制度を活用する
- 児童相談所や子ども家庭支援センター、スクールソーシャルワーカー、NPO団体などには、「家族の反対を受けても学業や仕事を続けたい」「親と離れて暮らす方法はあるのか」といった相談に乗ってくれるところがあります。
- 大切なのは「一人で抱え込まない」こと。親に言い出しづらいことも、外部の専門家や信頼できる大人と話し合う中で選択肢が見つかるかもしれません。
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4. 親子の関係は“対話と折り合い”の積み重ね
すべてを分かり合うのは難しくても「折り合いをつける」
人格障害の特性を抱える親と、その子どもが100%お互いを理解し合うことは、現実的には難しいかもしれません。しかし、人間関係において「分かり合う」ことと「折り合いをつける」ことは別の次元です。相手のすべてを理解できなくても、ある程度の距離やルールを設けることで、互いに大きなダメージを与えずに関わることは可能です。
●具体的な悩みの例
母親は「子どもが自分の言う通りにしてくれないと不安で仕方がない」、子どもは「いちいち口出しされると息苦しい」と感じている場合、「勉強や友達とのやりとりには口を出さないでほしいけど、帰宅時間だけはちゃんと連絡する」「ご飯の時間はなるべく一緒に過ごす」など、妥協点を探ることができます。完全に意見が一致しなくても、「ここだけは守ろう」という合意点を持つことで、日常の摩擦が軽減されるかもしれません。
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親子それぞれが“自分の軸”を持つ
親が人格障害(パーソナリティ障害)の特性を克服するには時間がかかることがありますし、子どもも親の変化を待っている間に様々なステージを迎えていきます。大切なのは、親も子どもも「自分の人生を生きる軸」を持つことです。親は親としての“成長”を目指し、子どもは子どもとしての“自立”を目指す――その両輪が動くとき、少しずつ関係が変わってくるのです。
●具体的なエピソード
母親が心理カウンセリングに通いながら、「まずは自分の感情をコントロールする練習をしよう」と奮闘している。子どもは子どもで、部活や友人関係を大切にしつつ、「家庭で母親がイライラしても、自分は自分のやるべきことに集中する」と決めて日々を過ごす。お互いに完璧ではなくても、自分の領域を見据えて行動するうちに、「お母さん、少し変わったね」「あなたも落ち着いたね」と感じられる場面が増えていくかもしれません。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
【まとめ】歩み寄りと自己成長の両立が、親子を救う
「親として、子どもとして:向き合うためのヒント」というテーマの中で、私たちは多くの具体的な悩みや解決のヒントに触れてきました。人格障害(パーソナリティ障害)の特徴を抱える親子関係は、確かに複雑で困難な面が多いです。しかし、だからといって絶望する必要はありません。
✔︎親としてできること
- 完璧を目指さず、小さな成功体験を積み重ねる。
- 感情をできるだけ言葉にしてみる。自分の怒りや悲しみを子どもにぶつける前に、「なぜそんなに辛いのか」を自分なりに理解しようとする。
- 子どもの言動を“すべての否定”と捉えず、思春期や子どもの個性を尊重し、適度な距離を保ちながらコミュニケーションを取る。
- 必要に応じて専門家や周囲の支援を受ける。
✔︎子どもとしてできること
- 親の感情をすべて背負い込まない。親の苦しみは親自身が向き合うべきものであることを忘れない。
- 安心できる場所や人を見つけて、自分の気持ちを話したり、息抜きできる環境を確保する。
- 親に全てを理解させようとせず、必要最低限の“境界線”をやんわり示す。
- 自分の未来をあきらめず、進学や就職、やりたいことを追求するために外部の機関や信頼できる大人に相談する。
✔︎親子がともに目指すもの
- お互いが100%分かり合えなくても、コミュニケーションのルールを作り、妥協点を探る。
- 親は親の苦しみに向き合い、子どもは子どもの人生を大切にする――その両方が同時に進んでいくとき、少しずつ関係性は改善する。
- 時間はかかるかもしれないが、小さな前進を見逃さず、お互いの努力を認め合える土壌を育む。
もし今、あなたが親として「こんな自分で子どもを不幸にしているのではないか」と苦しんでいるなら、どうか自分だけを責め続けないでください。そして子どもとして、親の姿を見て「自分がもっと頑張らないと親が壊れてしまうのでは」と思っているなら、どうかあなた一人で背負いこまずに、周囲に助けを求めてください。
私たち一人ひとりは、弱さや未熟さを抱えながら生きています。人格障害(パーソナリティ障害)が絡む親子関係は確かに厳しい道のりですが、それでも歩み寄りと自己成長の両立によって、少しずつ前に進むことができます。どうかあきらめずに、今日できる小さな一歩から始めてみてください。その一歩が、未来の自分と家族を救う大きな変化を呼び起こすかもしれません。あなた自身にも、そしてあなたの大切な子どもにも、変わる力と可能性は必ずあります。勇気を持って、互いをいたわりながら前進していきましょう。応援しています。
人格障害の問題別・状況別ガイド
職場や家庭、恋人関係など、日常のさまざまな場面で生じる衝突やコミュニケーションの行き違い。「もしかして、自分(または相手)が人格障害かもしれない…」と感じたとき、その不安や疑問を抱えたまま一人で悩んでいませんか?
人格障害(パーソナリティ障害)は、単なる「性格の問題」ではなく、本人や周囲の人々に深刻な影響を与える可能性があります。しかし、正しく理解し、適切な対策をとることで、関係性や日常生活は大きく改善できるのです。
このガイドでは、心理学初心者でもわかりやすいように、人格障害が引き起こす問題を「職場」「家庭」「パートナー関係」「子育て」「口癖」「思考パターン」など状況別に解説。さらに、セルフチェックや具体的なコミュニケーション術、専門家による治療やサポート情報まで網羅しています。自分や身近な人の悩みを少しでも軽くするために、まずは正しい知識を一緒に学んでみましょう。
①さらに深く学びたい方へ『人格障害の口癖と特徴』シリーズ全10巻
ここまで読んで、「具体的にはどんな“口癖”や“考え方”が見られるの?」「実際の言動から、より深く理解したい!」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方におすすめなのが、「人格障害の口癖と特徴シリーズ」全10巻 です。
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人間関係をスムーズにするヒントや、自分の中にある「こう思ってしまう理由」が見えてくるかもしれません。“どこかで聞いたことのある口癖”や“誰かに当てはまりそうな特徴” を知ることで、コミュニケーションやセルフケアの選択肢が広がるはず。
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人格障害(パーソナリティ障害)の口癖と特徴を学べる10冊【心理学の本】
②さらに深く学びたい方へ『人格障害の治療法』シリーズ全10巻
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仕事や学校、友人関係で少しずつ距離を感じ始めたあなた。もしかすると、その背後にはパーソナリティ障害という見えない壁が存在しているかもしれません。
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「人格障害の治療法」シリーズは、こうした複雑な心の問題を症状の理解から具体的な回復方法まで、丁寧に解説する全10巻の心理学書です。
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各巻では、特定のパーソナリティ障害に焦点を当て、その言葉・態度・思考パターンを具体的な事例とともにわかりやすく紹介しています。初心者でも理解しやすいように専門用語を噛み砕き、実生活に役立つ実践的なアドバイスも満載です。
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パーソナリティ障害と子育て・親子関係に関する参考文献・参考資料まとめURL一覧
人格障害(パーソナリティ障害)と子育て、親子関係などに関する信頼性の高い参考文献・参考資料のURLをまとめました。日本国内外の公的機関や専門学会、専門家によるサイトを中心に選んでいます。学術的な理解や具体的なサポート情報を得る際の手がかりになるかと思いますので、必要に応じてご確認ください。
1. 厚生労働省関連
-
こころの健康サイト(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/
精神保健に関する基礎知識や相談窓口、支援制度などが整理されている厚生労働省の公式ページ。各種専門機関の連絡先も掲載されており、困ったときに相談できる窓口を探す際に役立つ。 -
子どもの虐待防止や支援に関する情報(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198002.html
子どもを取り巻くさまざまな問題(虐待や発達の問題など)に対して、行政が提供している支援制度の概要や相談先がまとまっている。家庭内のトラブルや親子関係の問題が深刻化したときに利用できるサービスも記載。
2. 国立精神・神経医療研究センター(NCNP)
-
NCNP 公式サイト
https://www.ncnp.go.jp/
日本の精神・神経分野の中心的な研究機関。人格障害(パーソナリティ障害)を含むさまざまな精神疾患に関する研究や治療に携わっており、医療・研究者向け情報だけでなく、一般向けの情報提供もある。 -
こころの病気情報データベース(国立精神・神経医療研究センター)
https://www.ncnp.go.jp/kyoka/knowledge/
各種精神疾患や症状に関する解説が掲載されている。人格障害に関する基本的な情報や、関連する専門用語のわかりやすい説明などが見つかる。
3. 日本精神神経学会
-
日本精神神経学会 公式サイト
https://www.jspn.or.jp/
精神医学・精神医療に関する国内最大規模の学会。サイト内に患者・家族向けのコンテンツやガイドラインがあり、パーソナリティ障害に関する概要や治療方針などを学ぶ際に参考になる。 -
精神疾患の診断・治療ガイドライン
https://www.jspn.or.jp/modules/tinyd2/
日本精神神経学会が公表している診断・治療ガイドラインのページ。パーソナリティ障害に関する記載もある(※一部資料は学会員向けのものも多い)。
4. 日本児童青年精神医学会
- 日本児童青年精神医学会 公式サイト
https://www.jscap.jp/
子どもの心理や精神医学に特化した学会。子どもと親との関係における精神的問題や治療・支援について研究・情報発信を行っている。サイト内の「一般向け情報」などを参照すると、子どもの発達や障害に関する情報が得られる。
5. 子ども家庭総合研究所(独立行政法人)
- 国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 子ども家庭総合研究所(厚生労働省所管)
https://www.rehab.go.jp/ri/gri_index.html
子どもの発達・養育環境・家庭問題など、多岐にわたる研究を行っている機関。家庭内でのトラブルや虐待、養育支援などに関する調査研究報告が公開されている。
6. WHO(世界保健機関)関連
-
ICD-11(WHO公式サイト)
https://icd.who.int/en
国際的な疾病分類「ICD-11」はパーソナリティ障害を含む精神疾患の分類と定義を示している。英語が主体だが、日本語訳も進められている。パーソナリティ障害を国際的な視点で学びたい場合に。 -
WHO Mental Health
https://www.who.int/health-topics/mental-health#tab=tab_1
WHOが提供しているメンタルヘルス全般に関するページ。パーソナリティ障害そのものの解説は限られるが、精神衛生や家族支援における国際的なガイドラインを知る際に参考になる。
7. 子どもの虐待・DV(家庭内暴力)に関するサポート機関
-
児童相談所 全国共通ダイヤル「189」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000165992.html
親子間で深刻なトラブルや虐待が疑われる場合に、24時間対応で相談可能な児童相談所の全国共通窓口。人格障害を抱える親のもとで子どもが適切なケアを受けられていない可能性があるときなどに活用できる。 -
配偶者暴力相談支援センター(DV相談)
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_danjo.html
子どもの直接的な問題だけではなく、家庭内の暴力や親同士のトラブルが子どもに影響しているケースもある。配偶者暴力相談支援センターを含む相談機関のリストが公開されている。
8. NPO・民間団体による子育て支援・メンタルヘルスサポート
-
NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク
https://www.nponazone.org/
虐待防止や子どもの健全な育成に関する情報発信・啓発活動を行うNPO。サイト内に児童虐待にまつわる基礎知識や対応策、シンポジウム・イベント情報などが掲載されている。 -
NPO法人 全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)
https://www.minnanetto.jp/
精神疾患や障害を持つ当事者・家族を支援する団体の連合会。家族間の問題や、地域でのサポート体制づくりに関する情報が得られる。当事者や家族が交流する自助グループについての案内も。 -
メンタルヘルスの情報サイト「こころのスキルアップ講座」
https://www.mhlw.go.jp/isekaimonoka/
(厚生労働省・地方自治体・民間が協力している)心のケアを学ぶためのオンライン情報サイト。ストレスマネジメントやコミュニケーションのコツなど、子育て中の親にも参考になる記事が多い。
9. 学術書・専門書(参考)
-
『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』
アメリカ精神医学会 (American Psychiatric Association) が公表する診断基準書の翻訳版。パーソナリティ障害を含む各種精神疾患の臨床的特徴が詳細に記載されている。- 出版社:医学書院(翻訳版が出版されている場合)
-
『人格障害―現代的理解と治療指針』
複数の専門家が執筆し、パーソナリティ障害の理論や治療法を包括的に解説している専門書。- 出版社:金剛出版など(類似タイトル・関連書籍あり)
-
『境界性パーソナリティ障害―家族と本人への援助ガイド』
境界性パーソナリティ障害をはじめとした親子関係問題について、家族向けの具体的な支援ガイドがまとめられている。- 出版社:金剛出版など(翻訳書含む)
まとめ
ここにまとめた参考文献・参考資料一覧は、親子関係の問題や人格障害、育児支援などに関連して参考になる公的機関・学会・NPO団体・専門書の一例です。インターネット上の情報は玉石混交ですが、こうした公式・専門性の高い機関が提供する情報は信頼性が高く、最新の知見を得やすいというメリットがあります。困ったときや、さらに深く学びたいときは、ぜひこれらのサイトや書籍を活用してみてください。
心理士/ユング心理学者/心理カウンセラー/統合失調症研究/夢分析研究 /
◆日本ユング心理学研究所会員
◆日本カウンセリング学会会員
◆日本応用心理学研究所ゼミナール会員
◆中部カウンセラースクールジャスティス総合教育センター修了
心の問題に寄り添う心理学を学ぶなら「心理カウンセリング浦」。心理学の専門家がわかりやすく解説します。自分を知り、心を整えるためのヒントを豊富に紹介。人生を変える新たな気づきと未来への一歩をお届けします。毎日のヒントが、きっと見つかります。
【ご挨拶】
愛知県名古屋市中川区の古民家にカウンセリングルームを作りました。
心理カウンセリングのセラピーを通して、心の援助を約40年続けてまいりました。
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