【人格障害の上司に疲れたあなたへ】
もう限界… 人格障害を持つ上司との付き合い方:実践的な対処法とセルフケアのススメ
「頑張って仕事をしているのに、なぜか上司とのやり取りがうまくいかない…」「あの人の指示は理不尽なのに、立場上何も言えなくて苦しい」——こんな悩みを抱えていませんか?
上司が人格障害(パーソナリティ障害)の特性を持っている場合、どれほど努力しても「どうしてこんな叱られ方をするの?」「こんな指示に従う意味はあるの?」と戸惑う瞬間が多いかもしれません。
とはいえ、部下としては仕事を投げ出すわけにもいかず、「自分がもっと頑張ればいい」「耐えるしかない」と思い込み、日々ストレスを溜めていく方も多いのではないでしょうか。本記事では、そんな職場での“部下の視点”に焦点を当てて、上司や先輩が人格障害の特性を持つ場合にどう向き合い、どう自分を守るかを具体的かつ丁寧に解説します。
読んでいただくと、「上司とはこういうコミュニケーションが効果的かもしれない」という発見だけでなく、「もしあまりに辛いなら、こういう相談窓口や方法がある」という安心感も得られるはずです。つらい状況でも、一歩ずつできることを積み重ねることで、あなたの心身とキャリアを健全に保ち、必要に応じて周囲のサポートを得ながら働き続ける道が拓けるかもしれません。
愛知県名古屋市の心理カウンセラー 浦光一
目次
- なぜ“部下”にとって人格障害への対応策が重要なのか
- 部下が直面しやすい具体的な悩み
2-1. 「厳しすぎる叱責や攻撃的な態度で萎縮してしまう」
2-2. 「自己中心的な指示や横暴な命令に振り回される」
2-3. 「話を聞いてもらえず、一方的に扱われる」
2-4. 「周囲に相談しても“上司には逆らえない”と我慢を強いられる」 - 部下としての基本スタンス:自分の境界を守り、落ち込みすぎない
- 人格障害の特性を持つ上司への具体的アプローチ
4-1. 自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)
4-2. 境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder)
4-3. 反社会性パーソナリティ障害(Antisocial Personality Disorder)
4-4. 依存性パーソナリティ障害(Dependent Personality Disorder)
4-5. 妄想性・回避性など、その他のパターン - 実践できるコミュニケーション術とセルフケア
5-1. 記録を残し、客観的な事実を積み上げる
5-2. アサーティブに伝えつつ、衝突を避ける
5-3. チーム全体・組織全体のリソースを活用する
5-4. 自分自身を守るセルフケア:ストレス対処と支援確保 - 相談先の確保と専門家との連携
- まとめ:小さな行動が部下としての未来を変える
1. なぜ“部下”にとって人格障害への対応策が重要なのか
「上司が人格障害かもしれない」——こんなふうに感じている方は、決して少なくありません。上司という立場上、「自分には逆らえない」「言われるがままに動くしかない」と思っている人も多いでしょう。しかし、 部下の立場だからこそ 適切な対処法を身につけることが重要です。なぜなら、
-
仕事上の上下関係があると、人格障害の特性を持つ上司はその力関係を利用しやすい
- わがままな指示や不合理な命令を出しても、部下は反論しにくい。
- ちょっとしたミスでも過剰に叱責され、精神的に追い込まれやすい。
-
組織や人事が早期に動いてくれない場合、部下が我慢を強いられる可能性が高い
- 「またあの上司か…」と会社が黙認状態だったり、苦情を上司自身が握りつぶすことも考えられる。
- 結果として、何もできないままストレスが蓄積し、自分が退職を考えざるを得ない状況に陥ることすらある。
-
上司の人格障害は、部下のキャリアやメンタルヘルスに大きな影響を及ぼす
- 「こんな上司のもとじゃ成長できない」と感じたり、「やる気が削がれる」「うつ症状が出てしまう」といった深刻な事態にもなりかねない。
こうしたリスクを少しでも軽減するためにも、 部下としてできる範囲での対処法を知っておくことが、自分のキャリアと健康を守るためにとても大切なのです。
2. 部下が直面しやすい具体的な悩み【事例】
ここでは、人格障害の特性を持つ上司のもとで働くうえで、部下が経験しがちな悩みを具体的に挙げます。もし、ひとつでも当てはまるものがあるなら、後述の対処法が役立つ可能性があります。
※本記事で紹介している事例は、いずれもプライバシーを最優先に考慮し、個人が特定されないように配慮したうえで掲載しています。具体的には、当事者の同意を得たうえで、一部の属性や背景を変更したり、複数のケースを参考にして再構成したりすることで、個人や企業を特定できないように工夫しています。読者の皆さまが安心して事例に触れられるよう、守秘義務とプライバシー保護を徹底して取り組んでおりますので、安心してお読みいただければ幸いです。
2-1. 「厳しすぎる叱責や攻撃的な態度で萎縮してしまう」
事例:
- 小さなミスを見つけると、人格を否定するかのように叱責される。周囲が見ても「そこまで言わなくても…」と思うレベルで追い詰められ、自分は萎縮してものが言えなくなる。
- 会議中に意見を出そうとしただけで「お前に口を出す資格はない」と一蹴され、存在を否定された気持ちになる。
あなたの感情:
- 「自分が本当にダメな人間なのかと思ってしまう…」
- 「もう何も言えない。仕事を続けるのが怖い」
2-2. 「自己中心的な指示や横暴な命令に振り回される」
事例:
- 「今日中にこれをやっておけ」と急ぎの指示をされて残業したのに、翌日になったら「そんな指示は出していない」と言われたり、逆に「なんでこれはやってないんだ!」と別のことを急に求められる。
- 成果を上司がすべて独占し、「これは俺のおかげで達成できた」と社内で話を通してしまうため、自分の努力が報われない。
あなたの感情:
- 「指示がころころ変わるし、自分がやったことも全部上司の手柄にされる…」
- 「耐えたぶんだけ損してる。もう何もやる気が起きない」
2-3. 「話を聞いてもらえず、一方的に扱われる」
事例:
- 業務上の課題や提案を持ちかけても、「お前ごときに何がわかる」と取り合ってもらえない。意見がすべて却下されるうえ、なぜダメなのかも説明されない。
- 人格障害の特性を持つ上司は自分の話ばかりして、部下が口を挟む隙を与えない。反論すると「態度が悪い」と怒られる。
あなたの感情:
- 「この会社では自分の成長は望めないんじゃないか…」
- 「会話が成り立たない相手とどうやって仕事すればいいんだろう」
2-4. 「周囲に相談しても“上司には逆らえない”と我慢を強いられる」
事例:
- 同僚や先輩に相談しても、「あの人はそういうところあるからね、仕方ないよ」と受け流される。
- 人事部や上層部が知っていても、「仕事だから頑張って」「上司は君の成長を思って厳しくしてるんだよ」と、まったく取り合ってくれない。
あなたの感情:
- 「誰もわかってくれない。結局、自分が我慢するしかないんだ…」
- 「こんな会社にいて大丈夫なのかな」と転職を考え始める。
3. 部下としての基本スタンス:自分の境界を守り、落ち込みすぎない
上記のような悩みを抱え続けると、部下自身のメンタルヘルスが大きく脅かされます。自責の念が強い人ほど、「自分が悪いから怒られる」「もっと頑張れば認めてもらえる」と思い込み、限界を超えてしまいがち。しかし、
- 人格障害の特性を持つ上司の行動は、しばしば“合理的ではない”
- どんなに努力しても、相手が不当な批判や横暴をやめるとは限らない。
- 自分の業務範囲を把握し、過剰な責任を負わない
- 「ここまでは自分のやるべきこと」「ここからは上司の責任」という境界を、頭の中で整理しておく。
- 感情を受け止めすぎない
- 上司が怒っているときに「すべて自分が悪い」と思い込みすぎない。相手の感情の激しさは相手の問題であり、部下のあなたが100%コントロールできるものではない。
「ここまでやれば十分だ」「これ以上は自分の守備範囲を越えている」とわかっているだけでも、強い自己否定や落ち込みを防ぐことができます。
4. 人格障害の特性を持つ上司への具体的アプローチ
以下では代表的な人格障害の特性を持つ上司を想定して、それぞれどう接すればよいかを解説します。実際には専門的な診断が必要ですが、「あの人、こういう特徴が強いかも」と感じたら、対策の一助にしてみてください。もちろん専門家の診断が必要ですが、「もしかして…」という気づきがあるだけでも対応策は変わります。
4-1. 自己愛性パーソナリティ障害(Narcissistic Personality Disorder)
-
特徴:
- 常に自分を最上位に置き、部下の貢献を認めない。
- 過剰な承認欲求があり、批判に弱い。
- 手柄はすべて自分のものにしたがる。
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部下としてできること:
- 事実ベースでの確認を徹底
- ミーティングや成果物はメールやドキュメントで残す。口頭指示だけで進めると「言ってない」「自分がやった」と後からひっくり返されるリスクあり。
- 適度に称賛を与えつつ、境界も持つ
- 「○○さんのおかげで、ここはうまくいきました」と上司の自尊心を満たしつつ、「私はここをサポートしました」という事実をさらりと示す。過剰なおべっかは危険。
- 批判はソフトに、要望は具体的に
- 強く反発されるので、感情をぶつけずに「こういう形で報告するとさらに効率が上がると思います」など、相手を立てつつ提案する。
- 事実ベースでの確認を徹底
👉 「自己愛性パーソナリティ障害の特徴について詳しく解説」を読む
4-2. 境界性パーソナリティ障害(Borderline Personality Disorder)
-
特徴:
- 感情の起伏が激しく、部下に対しても「君は最高だ」と持ち上げたかと思えば「もうお前はいらない」と突き放す。
- 見捨てられ不安が強く、部下が少しミスすると激怒することもある。
-
部下としてできること:
- バリデーション(validation)を試みる
- 「そう感じられるのはつらいですよね」とまずは相手の感情を受け止める。怒りをやわらげる効果がある一方で、要求をすべて呑む必要はない。
- 一貫した態度で接する
- 日によって上司の機嫌が違うと、こちらも振り回されがち。できるだけ同じ口調・同じ態度で対応する。
- 問題が深刻なら専門家や産業医へ相談
- 感情の爆発によって職場運営が困難な場合、ひとりで抱え込まず、人事や産業医に状況を説明して介入を促す。
- バリデーション(validation)を試みる
👉 「境界性パーソナリティ障害の特徴について詳しく解説」を読む
4-3. 反社会性パーソナリティ障害(Antisocial Personality Disorder)
-
特徴:
- 法やルールを軽視し、部下を道具扱いする。
- 嘘や脅しで部下を従わせるなど、共感の欠如が顕著。
-
部下としてできること:
- 証拠を確保し、早めに上司の上司や人事に報告
- 違法行為やハラスメントが疑われる場合、メールやチャットの履歴、音声など証拠を残すことが必須。
- 反社会性が強いと話し合いだけでは解決しない可能性が高い。
- 感情的対立は避ける
- 相手は罪悪感が薄い分、激しい仕返しをする可能性も。冷静に「ルール上これが問題だ」と指摘し、上層部に対処を求める。
- 法的機関や社外の相談窓口の利用も視野に
- パワハラや金銭問題が深刻な場合は、労働基準監督署や弁護士への相談も検討する。
- 証拠を確保し、早めに上司の上司や人事に報告
👉 「反社会性パーソナリティ障害の特徴について詳しく解説」を読む
4-4. 依存性パーソナリティ障害(Dependent Personality Disorder)
-
特徴:
- 決断できずに上司という立場を形骸化し、逆に部下に頼りきりになるケースも。
- 「君がやってくれないと仕事が進まない」と責任を転嫁してくる。
-
部下としてできること:
- 「ここまではサポートするが、ここからは無理」という線を明確にする
- 上司が本来行うべき決定を「君が決めてよ」と丸投げしてきたら、「それは○○さん(上司)の判断が必要です」と返す。
- 必要以上に助けない
- 依存を助長しないためにも、「自分の責任範囲」を意識し、上司の仕事をすべて請け負わない。
- 周囲と情報共有し、リーダーや管理職に報告
- 上司が機能していないのに部下にしわ寄せが来ている場合、チーム全体や管理職レベルでの対策が必要。
- 「ここまではサポートするが、ここからは無理」という線を明確にする
👉 「依存性パーソナリティ障害の特徴について詳しく解説」を読む
4-5. 妄想性・回避性など、その他のパターン
-
妄想性パーソナリティ障害:
- 上司が被害的かつ猜疑心が強い。「部下が自分を陥れようとしているのでは?」と疑い、常にピリピリした雰囲気。
- 部下としては、丁寧に説明資料を作って「いや、そんなつもりはありません」と具体的に示すのが有効。
-
回避性パーソナリティ障害(上司ver.):
- 批判を恐れるあまり、決定権を持つはずの上司が大事な場面で逃げる、黙りこむ。
- 部下としては、上司を責めすぎず、選択肢を小分けに提示するなどして背中を押す。それでも動かないなら、さらに上の管理職に相談。
その他にも、職場で見られる人格障害(パーソナリティ障害)について、パーソナリティ障害の種類と特徴(DSM-5)について整理して詳しく解説しました。人格障害の種類と特徴について詳しく知りたい方はこちらのページをご覧ください。
5. 実践できるコミュニケーション術とセルフケア
ここからは、上司のタイプにかかわらず部下が共通して取り入れやすい対策を紹介します。これらを実践することで、少しずつ状況を改善したり、自分のストレスを緩和できるはずです。
5-1. 記録を残し、客観的な事実を積み上げる
- 議事録やメールを活用
- 「○月○日に、○○さんから××の指示を受けました。内容を確認したいのでメールでお送りしますね」と形に残す。
- 後から「言った言わない」で揉めるのを防ぎ、万一トラブルが拡大しても証拠がある。
- 日報やメモを習慣化
- その日のやりとりや上司の指示、感情的に叱られた内容をメモ。自分自身の感情や体調も書き留める。
- 将来的に産業医や人事に相談するとき、「実は何ヶ月もこんな状態が続いていて…」と具体的に説明できる。
5-2. アサーティブに伝えつつ、衝突を避ける
- “Iメッセージ”で自分の気持ちを伝える
- 「私はこう感じました」「ここがわからないので、説明をお願いできますか?」と、相手を責めるのではなく「自分の要求」を軸に話す。
- 批判は避け、提案をする
- 「それは間違ってます」ではなく、「こうするとさらにうまくいくと思うのですが、いかがでしょう?」など、建設的な姿勢を示す。
- 上司を否定せず、行動改善を促す
- 「そんなふうに感じるんですね。では、具体的にはどう動けばいいですか?」と冷静に切り返す。
5-3. チーム全体・組織全体のリソースを活用する
- 同僚と連携し、情報を共有
- 「あの上司にこう指示されたんだけど、そっちはどう?」と他の部下や同僚とコミュニケーションを取る。相手が一貫しない指示を出しているなら、共通認識を作る。
- 管理職や産業医への相談
- あまりに理不尽な状況が続くなら、1対1の問題ではなく組織的な問題として扱うべき。
- 「自分は仕事を頑張りたいが、上司の言動に困っている」と客観的な事実とともに報告する。
5-4. 自分を守るセルフケア:ストレス対処と支援確保
- ストレス管理
- マインドフルネス、深呼吸、軽い運動、自然に触れ合うなど、自分の心をリセットする時間を確保。
- 仕事以外の趣味やプライベートも大切にし、上司への不満ばかりが頭を占拠しないようにする。
- 相談できる相手を探す
- 同僚・友人・家族など、気軽に話せる人を確保。誰にも言えずに抱え込むとメンタル不調になりやすい。
- 職場に産業カウンセラーやEAPがあるなら、勇気を出して一度相談してみる。
6. 相談先の確保と専門家との連携
「上司とのトラブルを誰かに話すなんて、大げさかな…」と思う方もいるかもしれません。しかし、人格障害の特性が絡むケースは、 個人の努力だけでは解決しづらい ものが多いのです。上司が人格障害を持つ場合、
-
ハラスメント窓口や人事部に客観的な証拠を提示
- 「こういう指示があった、こういう叱責を受けた」というメールやメモを見せ、具体的に困っていると伝える。
- 会社としても、部下の健康管理は義務の一環なので、相談を受け流せない。
-
産業医やメンタルヘルス担当との面談
- あまりに強いストレスで睡眠障害や体調不良があるなら、産業医やカウンセリングサービスを利用し、自分の状態を正しく理解してもらう。
- 必要なら休職や異動の提案を受けることも選択肢になる。
-
社会保険労務士や弁護士など外部の専門家
- 長時間労働やパワハラが深刻な場合は、法的な視点で対処策を検討することも考える。
- 労働基準監督署への申告や、弁護士との相談で状況が変わる場合もある。
7. 小さな行動が部下としての未来を変える
人格障害を持つ上司のもとで働くというのは、部下にとって大きな精神的負担です。一般的な対処法が通用しづらく、「もう限界だ…」と感じている方も多いでしょう。しかし、あきらめてしまう前に、以下のポイントを改めて意識してみてください。
- 境界(バウンダリー)を守り、自分がすべて責任を負わない
- 相手の過度な要求や怒りを、あなたがすべて解決するのは不可能です。
- 客観的な記録を残し、周囲と情報を共有する
- 証拠を握っていれば、いざというときの相談がスムーズになります。
- アサーティブコミュニケーションを習得し、感情的な衝突を避ける
- “Iメッセージ”や提案型の言い方など、相手を刺激しない伝え方を実践する。
- 必要なら組織や専門家へ相談する
- 部下一人でどうにもならないケースが少なくありません。早めに適切な窓口を利用しましょう。
- セルフケアに取り組み、自分のメンタルを守る
- マインドフルネスや運動、趣味などでストレスを軽減。相談相手を確保し、一人で抱え込まない。
「上司だから仕方ない」と我慢するのではなく、 「自分にできる行動は何か」「周囲に頼れるリソースはあるか」 を検討し、少しずつ前進してみてください。無理なく続けられる小さなステップの積み重ねが、やがてあなたの働き方を大きく改善し、職場全体の関係性にも変化をもたらすかもしれません。部下の立場であっても、「声を上げる」「動きを記録する」「自分をケアする」といった行動は、 あなた自身の未来だけでなく、同じ悩みを抱える仲間を救うきっかけ になるはずです。どうか希望を失わず、一歩ずつ行動してみてください。応援しています。
ゆっくりでいいのです。
一歩一歩、少しずつ
歩んでいきましょう。
パーソナリティ障害に関する職場の人間関係のストレスと仕事の悩みを解決する方法
職場で「ちょっと困った人」と感じる同僚や上司がいる場合、その背景には人格障害(パーソナリティ障害)の特性が隠れているかもしれません。トラブルが絶えない、意見の衝突が多い、あるいは周囲への配慮が極端に欠けている——これらの問題が続けば、個人のメンタルヘルスだけでなく、組織全体の生産性にも大きな影響を及ぼします。
40年にわたる心理カウンセラーとしての現場経験から見えてきたのは、「相手を変えようとするのではなく、正しい知識を身につけて適切に対応する」ことの大切さ。この記事では、職場でよく見られるパーソナリティ障害のサインから、具体的な対応策、そして自分自身を守るストレスマネジメントまでをわかりやすく解説します。まずは、あなたの身近に起こる「困った状況」を改善するためのヒントを、一緒に探ってみましょう。
👉 「パーソナリティ障害に関する人間関係のストレスと仕事の悩みを解決する方法」を読む
パーソナリティ障害の問題別・状況別【対応ガイド】
職場や家庭、恋人関係など、日常のさまざまな場面で生じる衝突やコミュニケーションの行き違い。「もしかして、自分(または相手)が人格障害かもしれない…」と感じたとき、その不安や疑問を抱えたまま一人で悩んでいませんか?
人格障害(パーソナリティ障害)は、単なる「性格の問題」ではなく、本人や周囲の人々に深刻な影響を与える可能性があります。しかし、正しく理解し、適切な対策をとることで、関係性や日常生活は大きく改善できるのです。
この記事では、心理学初心者でもわかりやすいように、人格障害が引き起こす問題を「職場」「家庭」「パートナー関係」「子育て」「口癖」「思考パターン」など状況別に解説。さらに、セルフチェックや具体的なコミュニケーション術、専門家による治療やサポート情報まで網羅しています。自分や身近な人の悩みを少しでも軽くするために、まずは正しい知識を一緒に学んでみましょう。
関連する論文・参考文献・URLまとめ
下記は、職場における人格障害(パーソナリティ障害)の特性や対人関係の問題について理解を深めるための代表的な文献やオンラインリソースです。記事中の話題に関連した分野(職場のメンタルヘルス、人格障害の概要、対人スキル、ストレスマネジメントなど)からピックアップしました。
1. 学術文献
-
American Psychiatric Association. (2013).
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (5th ed.). Washington, DC: American Psychiatric Association.- 人格障害を含む精神障害の診断基準を示す国際的なマニュアル。各パーソナリティ障害の特徴が整理されている。
-
Linehan, M. M. (1993).
Cognitive-Behavioral Treatment of Borderline Personality Disorder. New York: The Guilford Press.- 境界性パーソナリティ障害に特化した治療法「DBT(弁証法的行動療法)」の確立者による代表的著書。対人関係や感情調整の問題に関する詳しい解説がある。
-
Gunderson, J. G. (2014).
Handbook of Good Psychiatric Management for Borderline Personality Disorder. Arlington, VA: American Psychiatric Association Publishing.- 境界性パーソナリティ障害の管理と治療に関する臨床ガイド。仕事場面への応用や周囲の対応策も一部で示唆されている。
-
Millon, T., & Davis, R. D. (1996).
Disorders of Personality: DSM-IV and Beyond (2nd ed.). New York: John Wiley & Sons.- パーソナリティ障害研究の第一人者テオドア・ミロンによる著書。各人格障害の理論的背景や特徴を詳述。
-
Beck, A. T. (1990).
Cognitive Therapy of Personality Disorders. New York: The Guilford Press.- パーソナリティ障害における認知療法の応用を解説。思考の歪みに着目し、対人トラブルの根本要因を探るヒントが多い。
2. オンラインリソース・機関ウェブサイト
-
国立精神・神経医療研究センター
- https://www.ncnp.go.jp/
- 日本における精神・神経疾患研究の中心的機関。パーソナリティ障害を含むさまざまな精神疾患に関する情報が得られる。
-
厚生労働省:こころの耳(働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト)
- https://kokoro.mhlw.go.jp/
- 企業や働く個人に向けたメンタルヘルス情報が掲載されている。職場のストレスやハラスメントについての対策・相談先なども紹介。
-
NIMH(アメリカ国立精神衛生研究所)
- https://www.nimh.nih.gov/health/topics/borderline-personality-disorder
- 境界性パーソナリティ障害をはじめ、各種精神疾患の概要や治療法を公的にまとめている。英語リソースだが信頼性が高い。
-
APA(アメリカ心理学会)
- https://www.apa.org/
- 心理学全般の学術情報や最新研究が公開されている。職場のストレスマネジメントや対人スキルに関する記事も充実。
-
Mayo Clinic(メイヨークリニック)
- https://www.mayoclinic.org/
- パーソナリティ障害を含む各種疾患に関する解説、症状や治療法、周囲の対応策などを分かりやすく紹介している。
3. 関連トピックに関する補足
-
職場ハラスメントに関するガイドライン
- 厚生労働省の「職場のパワーハラスメント対策総合サイト」:
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000144972_00001.html- 職場でのパワハラ(パワーハラスメント)定義や対策事例、相談先などがまとまっている。
- 厚生労働省の「職場のパワーハラスメント対策総合サイト」:
-
職場メンタルヘルス全般
- EAP(従業員支援プログラム)導入事例などを通じ、人格障害を含む精神疾患のある社員のサポート体制を構築している企業も増えている。早期発見・早期介入が重要。
心理士/ユング心理学者/心理カウンセラー/統合失調症研究/夢分析研究 /
◆日本ユング心理学研究所会員
◆日本カウンセリング学会会員
◆日本応用心理学研究所ゼミナール会員
◆中部カウンセラースクールジャスティス総合教育センター修了
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