では人格とは何か
人格と性格という用語はしばしば同じ意味に使われています。これを明確に区別しようとする人もいます。一般に人格の用語のほうが性格より広い意味で使われ、理論的、実験的研究では人格と言う用語が使われ、応用的、臨床的研究では性格と言う用語が使われています。
どちらを使うかは習慣的用法に過ぎません。しかし、いずれを使うにしても「人格者」という場合のように道徳的意味を含んではいません。ちなみにクレッチなどはその概説書の1969年版で「人格は個人の持つあらゆる特性を総合し、絶えず変化する環境に適用しようとする試みをもつユニークな体制であると同時に、環境に適用することによって変容をも受ける」というように記述しています。