心理カウンセラーが考える家庭内暴力について
現代は「人災」で不幸になっている人は枚挙に暇がないと言えるほどです。
親が子供を殺したり、子どもが親を殺したり、ということもあります。
家庭内暴力(かていないぼうりょく)は、20歳未満の子供が同居する親などに対して
継続的に振るう暴力の事をいいます。
日本語としては造語で1970年前後に現われました。
広い意味では家庭内の暴力全般を指しますが、親が子供に振るう暴力は「児童虐待」、配偶者間の暴力は「ドメスティックバイオレンス」と言い分けるのが通例です。
暴力の内容は、相手に怪我を負わせるものから、暴言を主とするもの、家具や家財を破壊するなどケースにより異なりますが、家庭外では全く発揮されないという特徴があります。
ターゲットは家庭内の親しい人物、特に母親となることが多いです。
暴力の背景は、社会に対する不適応感(挫折感)から来るストレスや
親からの過干渉に対する反発、自立を試みること等様々であり、統合失調症のような精神障害が原因であることは少ないです。
相談先としては警察、児童相談所、教育機関などが挙げられます。
精神障害の場合は児童精神科医が挙げられます。
家庭内暴力は密室で発生するため実態の把握が難しいですが、日本では1960年前後から顕著に現われて、近年では警察で把握しているだけで約1200件(2009年)にのぼるといいます。
件数としては横ばいが続いていました。
しかし、2010年以降に急増し始めて、1484件(2010年)が、2531件(2015年)に達しています。
かつては経済的貧困のために犯罪が生じると思われたこともありましたが、貧困の解消どころか、結構、お金を持っているのに、或いは、そのために不幸になっている人もいます。
物が豊かになると、人間が幸福になるためには、それに見合うだけの心のほうもはたらかせなければならないものです。
物が乏しいときは、食っていくだけで大変だったので、心のことなどあまり問題にならなりませんでした。
しかし、生活が豊かになり、生き方の選択肢が増えてくると、それに相応する心の豊かさ、心の知恵が必要になると私は考えています。
家庭内暴力の子供を持つご両親の話を聞くにつれ、悲しい程、上の事柄を思います。
どうにもならないことは解っていますが、不安な気持ちをカウンセラーに話したりしてもらいたいと思います。
筆者 心理カウンセラー 浦