フロイトの小児性欲論
フロイトが、性的活動という場合、身体のある部位の刺激により快感を得ようとする活動全般を意味している。おっぱいを吸うときに唇で快感を感じたり、ウンチをするときに校門で快感を感じるといったことも性的なものと見るのである。赤ちゃんが指しゃぶりをすることと大人がマスターベイションをすることとは、どちらも性的であるというわけである。
一般的には刺激が快感を呼び、興奮を高め、興奮があるレベルまで達すると満足するという特徴がある。このような性的活動を目指す欲求を性欲と呼び、その性欲を発現させるエネルギーをリビドーとフロイトは呼んだのである。
リビドーという言葉は、本来は「欲望全般」を意味するラテン語であるが、フロイトはその意味を少し変えて用いていることになる。ただし、フロイトは、性的という言葉を生殖に結びつけた活動とか、生殖による快感ということに限定しなっかた点に注意が必要である。
性欲は、人間の身体や神経系の中に遺伝的に組み込まれた本能的なものでありながら、それが単なる快感の追求に終わらずに、人が人を求めることにつながるという認識がフロイトにはある。同じように身体に基礎付けられた欲求として、食欲や睡眠の欲求、排泄の欲求などがある。