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先端恐怖

心理カウンセリング療法と料金

恐怖症とはある特定の状況や対象に対して、異常に恐怖を感じてしまい、それによって生活に支障が生じてしまうような状態を「恐怖症」と呼びます。

恐怖症は様々な状況・対象に対して生じます。

対人恐怖症」「高所恐怖症」「先端恐怖症」などの恐怖症があります。

人に対して異常に恐怖を感じてしまうのが対人恐怖症であり、高い場所に対して異常に恐怖を感じてしまうのが高所恐怖症です。

過剰に恐怖を感じてしまい、生活に支障が出てしまうような状態です。

針恐怖症などと呼ばれることもあります。

先端恐怖症

尖端恐怖症とは、先端が鋭いもの、尖っているものに対して過剰に恐怖を感じてしまい、生活に支障が出てしまうような状態です。

鋏・針・鉛筆・ナイフ・カッター・前髪など、先端が尖った物が視界に入った時に強い精神的動揺を受ける恐怖症の一種です。

尖ったものが目に向かってくるような錯覚を覚え、恐怖感により一時的に目が開けられなくなるなどがあります。

人に指を指された場合にも同様の症状が出ることもあります。

先端恐怖症はあまり広く知られていないためか、治療法や克服法も正しく行えていないケースが目立ちます。

恐怖症の治療は時間がかかりますが、正しい指導者のもと、正しい治療法を続ければ必ず克服できます。

本人の苦痛が非常に大きい疾患であるため、放置したり恐怖を感じるものを避け続けるのではなく、適切な治療を行うおこなう必要があります。

治療

  • 尖っているものに対しての異常な認知を修正する(考え方を治す)
  • 実際に尖っているものに慣れていく(行動を治す)

先端恐怖症を治すためには2つのアプローチが必要です。

重要なことは、この2つのアプローチを、どちらも並行して行っていく必要があります。

多くの方が恐怖症の治療を失敗してしまうのはこの事を理解していく必要があります。

片方の治療法だけで完結しようとしてしまうため、うまく行かなくなってしまうのです。

尖っているもの、鋭いものに対する「認知(ものごとのとらえ方)」が歪んでしまっているため、これを修正する治療は先端恐怖症において有効です。

これは基本的には「認知行動療法」の考え方になり、カウンセリングの形式で認知の修正を図っていくことが理想です。

独学で行うのは難しく、出来れば精神科医や経験豊富なカウンセラーとともに行っていくようにしましょう。

ただし認知の修正だけを行ってもうまく行かず、認知の修正とともに、次項の「慣れていく」という治療法も並行していく必要があります。

恐怖を感じるものに敢えて挑戦するのを「暴露療法」と呼び、先端恐怖症の治療に対しても暴露療法は有用になります。

ただし、暴露療法は「どの程度の刺激に暴露させるか」という判断が非常に難しいため、これもできれば独自に行うのではなく精神科医などの専門家とともに行うことが理想です。

暴露療法は、恐怖に少しずつ触れて慣れていくという治療法になり、最初は弱い恐怖から慣れていき、成功したらより強い恐怖に挑戦するという流れになり、必ず段階的にやっていく必要があります。

いきなり自分の限界以上の恐怖に暴露させてしまうと、恐怖がかえって強まってしまう可能性もあります。

薬物療法

鉛筆を見る前に抗不安薬を服薬していただき、内服薬で不安・恐怖をある程度和らげてから挑戦させると成功率が高まり、慣れてくれば、徐々に内服薬を使わないでも出来るようにレベルを上げていけばいいのです。

内服薬を併用することで、より細かく治療ステップを踏めるようになるため、暴露療法の成功率が高まります。

また「恐怖を感じても内服薬を飲めば大丈夫」という安心感を患者さんに与えてあげることで、気持ちに余裕が生まれ、これが成功率を高めてくれることもあります。

抗不安薬の処方は医師しかできないため、やはり暴露療法は精神科医と連携しながら行う必要があります。

良く用いられるのが「抗不安薬」です。

抗不安薬は、即効性もあるため暴露療法で暴露する前に服薬することでも効果が得られます。

しかし一方で慢性的に使用を続けると依存が生じることもありますので注意が必要です。

長期的に不安・恐怖を抑えたい場合は「抗うつ剤」が用いられることもあります。

不安や恐怖はセロトニンと深く関係していると考えられているため、抗うつ剤の中でもセロトニンを増やす作用に優れるものが使われます。

抗うつ剤は飲んですぐに効果が出るものではありません。

服薬して早くても1週間、通常は2~4週間ほどかかります。

しかし依存性はないため、長期的に不安を抑えたい場合に適しています。

内服薬は先端恐怖症の治療を助けてくれる有効な方法の1つです。

しかしあくまでも内服薬で症状を抑えているだけであるため、内服薬だけで治療がうまくいくことはなく、内服薬の力を借りながらも「考え方を修正する」「暴露して慣れていく」という克服法を行っていく必要があります。

著者 心理カウンセラー 浦

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