不安神経症者の考えは、
自己の領域に対する危険という主題に支配されています。
彼(彼女)は、自分自身、自分の家族、財産、地位、
または自分が価値を置いている無形のものに、害がおよぶと予測するのです。
避けることが出来る状況に対する不安を、体験する恐怖症者とは対照的に、
不安神経症者は避けることが出来ない状況に対する危険を感じ取ります。
死んでしまうような重篤な病気にかかるのではないかと、
恐れ続けている人は、
いつもと違う身体症状を感じるとすぐに、
その病気の兆候だと解釈することがあります。
息切れをすると、心臓発作が起こったと考えます。
下痢や便秘、漠然とした痛みから、
癌にかかっていると信じるようになります。
恐怖が外的刺激を巻き込むことも多いです。
思いがけない音がすると必ず、
それが惨事の兆候だと解釈するのです。
家の中で音がすると泥棒が入り込んできたと思って怖くなります。
自動車のバック・ファイアを銃声だと考えたりもします。
子供の叫び声から、
身体的な暴力が行われているシーンを思い浮かべるのです。
多くの不安神経症者は、主として心理的な傷つきを恐れています。
不安な人は、
それが知らない人でも友達でも、
他の人が自分を拒絶し、侮辱し、軽視するのではないかと
心配している場合が多いのです。
身体的または心理的に傷つくのではないだろうかという予想は、
不安と関係しています。
傷つくだろうと予期すると、不安を感じるのです。
著者 心理カウンセラー 浦